01. 辞職(自主退職)

職業選択の自由(憲法第22条) は、労働者に制約なしに辞職する権利を保障しており、会社が在職を矯正することはできません。労働者は2週間前の通知によって会社を退職することができ(民法第627 状)、この期間は伸長することはできず、例えば就業規則で4週間前の通知を要すると規定されていても強制力はありません(※ ただし、退職金等に影響する可能性があることがあります)。

通知の期限制限・規制
自己都合:2週間前N/A
会社都合:30日前解雇規制

02. 特別退職金パッケージの提案

多くの場合、解雇に先立ち、特別退職金が加算されたパッケージの支払を条件とした合意退職の提案があります。これは解雇による法的紛争を回避しながら本社からの人員削減の指示を実行するための施策で、外資系企業でよくみられるものです。法律上、特別退職金パッケージは合意退職を説得するための提案(退職勧奨:意思表示の誘引)にすぎず、解雇(会社から労働契約を終了させる一方的な意思表示)ではありません。したがって、労働者はこの提案を自由に拒否することができます。しかしながら、外資系企業においては、人員削減の対象としてパッケージが提案された場合、労働者がこれを拒否しても最終的にはそのまま解雇へと至ります。

特別退職金パッケージの提案 ≠ 解雇

03. 解雇

法律上、会社も一方的に労働契約を終了させる自由(解雇の自由)がありますが、日本においては、外資系企業の場合であっても、解雇は厳しい規制に服します。その他にも、30日以上前の解雇予告通知、または、30日分の平均賃金の支払が必要になるという時間的な制約もあります(労働基準法第20条).  解雇された労働者、また、解雇予告通知を受けた労働者は、会社に対して解雇理由証明書の交付を請求することができます(労働基準法第22条1項、2項).

外資系企業であっても 
海外採用の場合であっても 全て日本の厳しい解雇規制に服します
日本人ではない場合でも 

04. 法的手続き

解雇の場合には、次の3つの法的手続きを取ることが考えられますが、外資系企業の場合、最終的な解決は通常訴訟によることが多くなっています。

労働審判原則として3回で終了する手続きですが、会社が異議を申し立てた場合には通常訴訟に移行することになり、訴訟手続きが増えただけという結果になることがあります。
仮処分の申立て労働者が一定の資産を有している場合には保全の必要性がないと判断されて申立は却下されることになります。
通常訴訟一般的な訴訟手続きであり、判決の前に和解によって最終的な解決となることもあります。

05. 判決

解雇事件で勝訴判決を得た場合、労働者は会社に対して労働契約上の権利を有する地位にあることが確認され、解雇から判決までの未払賃金(バックペイ。3%の遅延損害金が加算)が支払われることになります。

判決の後、割増退職金支払と離職を合意するなど、当事者の和解によって職場に復帰しない場合もあります。  

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